企画展の紹介

開催中の企画展

~隊員と支えた人々の記憶~ 特攻の記憶

2025年04月19日(土) 2025年07月18日(金)

場所:知覧特攻平和会館(企画展示室)

 戦後80年が経過し戦争体験者から直接当時の話を聞く機会はほとんどなくなりました。特攻の史実を次世代に伝えるため、当館がこれまで収集した特攻関係者の証言映像を用いて約35分のドキュメンタリー映像を制作しました。映像には証言者の話をもとにその時の状況を再現したアニメーションを入れてあります。企画展でドキュメンタリー映像の上映を行い、体験者の証言をより理解できる解説パネル、関連する資料を展示します。特攻隊員を支えた人々、そして特攻から生還した元特攻隊員の証言を通して特攻の史実をより深く知っていただけたら幸いです。

第1章/陸軍特攻の全容
陸軍の航空特攻は昭和19年11月からフィリピン戦線で開始されました。その後、昭和20年3月末から沖縄戦における特攻が開始され、知覧をはじめ九州南部、台湾北部の飛行場から出撃していきました。陸軍が航空特攻を行った背景、各戦線の特徴、編成から出撃までを地図、年表などでその全容を紹介します。


第2章/整備・飛行戦隊
知覧飛行場には機体を整備する整備部隊、沖縄に向かう特攻隊の掩護や防空を担う飛行戦隊などが展開していました。これまであまり知られていない特攻隊を支えた部隊に焦点を当て、各部隊の役割や任務を関係者の証言を通して紹介します。
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筆記板
飛行第65戦隊 園田陽一郎大尉が沖縄への地上攻撃時に身に着けていた筆記版。米軍の攻撃により被弾し沖縄島に不時着。地上にて米軍と交戦し戦死。筆記板は米兵が戦利品として取得し戦後に遺族のもとに返還された。挟まれた用紙には沖縄への航路が記されている。

第3章/知覧高等女学校“なでしこ隊”
昭和20年3月27日から4月18日までの23日間、知覧高等女学校の生徒が飛行場に動員されて奉仕作業に従事しました。彼女らは三角兵舎地区で兵舎の清掃、洗濯、食事の準備などを行い、隊員との交流も持ちました。彼女たちが奉仕作業を行った兵舎地区の詳細や関係する資料を紹介します。
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女学生が書き留めた軍歌集
特攻隊のお世話をした女学生は隊員と一緒に歌った歌を「陸軍特別攻撃隊 振武隊の方々とうたわれた歌の数々」と小さな用紙に書き留めた。最初のページには「空から轟沈」が記されている。

第4章/特攻隊
陸軍最前線の知覧飛行場からは多くの特攻隊が出撃しました。その中の第69振武隊、第213振武隊、第111振武隊に焦点を当て、編成から出撃までの経過、各隊の関連資料、そして出撃したものの機体のトラブルでやむなく不時着して生還した元隊員の体験を通して特攻の実状に迫ります。
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遺筆
第111振武隊 若松藤夫少尉(戦死後の階級)の遺筆。「遥かなる故郷の夢 大空にまどろめば君知るや面影の隼人の山河に似たり」とある。 若松少尉は鹿児島県霧島市隼人町出身、昭和20年6月3日に知覧飛行場より出撃した。

会場イベントのご案内

学芸員による関連講座

企画展の内容を詳しく解説します。

日時:2025年4月26日(土)、5月17日(土)、6月14日(土)

時間:10:30~/14:30~ (各回約30分)

会場:知覧特攻平和会館(講話室)

・参加費無料(入館料のみでご参加できます)

・事前申し込み不要。時間になりましたら会場にお越しください。

会場イベントのご案内

学芸員によるギャラリートーク

展示のみどころを企画展示室で紹介します。

日時:2024年5月24日(土)、6月7日(土)、7月5日(土)

時間:10:30~/14:30~ (各回約30分)

会場:知覧特攻平和会館(企画展示室)

・参加費無料(入館料のみでご参加できます)

・事前申し込み不要。時間になりましたら会場にお越しください。