来館者の声

日本の子どもたちの感想

小学6年生(女子)

話を聞いて,すごく悲しい気持ちになった。 今,自分がこんな風に生きている事が恥ずかしい。 小さなことで悩んで,バカみたい。 もっと生きることを大切にしたい。 ここに来れて良かったです。

中学生

私は修学旅行に来る前に,両親と大ケンカをして逃げるように,この修学旅行にきました。 そして私は,こっちに来てからずっと親なんていらない,死んでしまえばいいと馬鹿なことを考えていました。 しかし,今日遺書を見ると両親の孝行のためにと書いてあるのを見て,初めて自分の考えた馬鹿なことを思い知りました。

高校生

卒業旅行で知覧を訪れました。広島を中心に,平和記念館を歩いた経験はありますが,ここ知覧が特攻兵士の「最後の場所」であったことを知りませんでした。 大変貴重な遺品の,中でも私たちと変わらない若い男性の遺書が衝撃的でありました。母上,母上と少年たちは母を呼んでいます。そして「泣いてはくださるな」と言い残しています。母の存在が兵士たちの心の奥で深く根づいていたことを,強く知らされました。母は永遠なのだなあと思います。 今の日本では,中学生が荒れ,皆,自分中心の人生を送ることに必死です。国を信じた,一筋の男性らしい姿は,今から見ると悲しい結果ではありますが,一人の人間として生を授かったことへの思い入れは比べものになりません。平和を望むためには,このような兵士たちの思いをもっと知り,二度と繰り返さないため学習する必要があると思います。家族を最後まで思い続けた,若い青年の死を無駄にしたくないと思います。生きることへの責任を再び考え直したい。

外国人の感想

南アフリカ人

[意訳]
知覧特攻平和会館を訪れるまで,特攻についてあまり知りませんでした。日本語もわかりませんが,若い男性達の写真を見るだけで(特攻の歴史について)十分理解ができました。多くの人々が亡くなってしまったことは本当に悲しいことであり,第二次世界大戦を違った観点から見ることができました。ここを訪れることによって,なぜたくさんの男性が亡くならなければならなかったのか,今を生きる人々がそれを知ることができるのは良いことだと思います。私は現在ドイツに住んでおりたくさんのドイツ人が罪の意識を抱えてここを訪れます。日本の立場から戦争体験を見ることができるのは興味深いことでした。隊員の遺影の下にある多くの遺書・手紙類の内容を読み取ることができませんでしたが,訪れていた多くの人々がそれらを読んで涙を流していました。私は,多くの隊員たちは悲しみや恐れを抱えていたのかもしれないと思います。(しかし,)同時に任務への意気込み,誇りも持っていたと思います。だから,これら全てが入り混じった感情が展示資料に含まれている,それは不思議なことだと思います。第二次世界大戦の「悪者」は誰だったのか,よくわかりません。しかし全ての人,ものが失われたのです。平和会館が平和に寄与しているということは,私自身もとてもうれしいことです。悲しみを抱えていたであろう隊員たちが戦争はどんなに複雑なものであるか,未来を生きる私たちが理解できるよう教えてくれているのだと思います。

日系アメリカ人

[意訳]
特攻資料で最も心に響いたことの一つとして,膨大な数の遺書・手紙類が保存され,そしてそれらが愛する者へ送られたということです。驚くべきことに,遺書・手紙類の多くが前向きな内容のものであり,愛する者の幸せを願ったものや,過去を(そして,隊員の死を)振り返らないで立ち止まらないでほしいといったものです。彼らは,自身の勇敢さと国を想う精神が導く天国の存在を心から信じている,と語り綴っています。これらの美しくも悲劇に満ちた遺書・手紙類の存在,そして,すべて(の人)は,抱えている境遇も個性も異なるということ...平和会館は,戦争のこうした側面を明確に教えてくれる素晴らしい場所であることがわかりました。犠牲になられた全ての兵士たちが平和の中で安らかに眠り,生存者たちが平和な世の中で生きていますようにお祈りします。